覚書

好きな事用 主に映画、小説、漫画など

4冊目「世界から猫が消えたなら」川村元気

はやりにのって。

 

この作家、テレビ関係のお仕事のひとだかで、小説が本業って感じではないようです。基本作家がどんな人かとかあんまり気にせず読みますけど、読みながら「? あんまり文章上手じゃねーぞ」と思ってしまって、調べたら、ああ、なるほどという。

 

小説って「話は面白いけどなんか文はいまいち」な人がたまにいませんか(個人的には、大大大好きだけど、五十嵐貴久さんもこのたぐい笑)。

これもそうだな、と思いました。

 

主人公は、脳腫瘍と診断されて、明日の命をも知れない青年。告知されてガーンとなっているところに、悪魔というか死神といか、なんかそういうのに出会う。

そいつはいう。お前の大切なものを世界から消す代わりに、一日寿命を延ばしてやると。で、その消すものってのが大切なものなわけですから、それにまつわる思い出や、自分の人生にとってどんな意味があったのかとかをひたすら思う、ていう泣くやろこれ絶対泣くやろっていう展開です。母、父、元恋人、友達。

悲壮感はそんなになくて、やわらかい文体だからか、すっきり悲しい感じです。さわやかともいえるかなあ。いとうせいこうの「想像ラヂオ」に似てる。

 

ただ上にも書きましたが、文章がすごいうまいかというとそんなになので、私はじんわり泣けたなあ、くらいで号泣まではいかず。「想像ラヂオ」と同じでした。

たぶん、ふだん本読まない人が手に取って、ああ、いい話を読んだなあと感じられる本なんだろうな、と思いました。

ちなみに、私が話をめっちゃ面白いと思うわけではないけれど、文が上手すぎていつももだえ苦しむのが村上春樹です。笑

 

 

 

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