24冊目「人のセックスを笑うな」山崎ナオコーラ
文芸賞とった? 作品ですね。
審査員に絶賛されたとかなんとか。
主人公は美術学校に通う大学生です。講師のユリと不倫します。なんていうか、小説といよりはもうひたすらひとりごとを聞き続けている感じです。
人の日記を盗み見ているみたいな感覚。短いし、文章は平坦。20分~30分で読み終わってしまいました。
いつもならこういう独白調の恋愛ものはあんまり、て感じなんですが不思議とすんなり胸に入ってきました。小説を読んだ、というよりも、本当に友達の恋愛のてんまつを、飲み屋とか喫茶店でじーっと聞き終わった、みたいな。
評価しないじゃないですか、人の恋愛話聞いた後って。あー、そっかあ、つらかったなあ、とか、大変やなあ、とか、すきやったんやなあ、ていう。
一つの恋が始まって終わっていくそういう生々しい世界をそっとそばで聞き終わった、ていう感じです。タイトルの意味考えちゃうなあ。
でも恋愛ってそういうもんだな、とも思います。
傍から見てどうとかじゃなくて、いいとか悪いとかじゃなくて、好きで、盛り上がって、前が見えなくなったり、泣いたり笑ったり、あがったりさがったりして、別に何も生まれなかったりして。ただ在るだけのものというか。
人間まるごと好きになった軌跡みたいなものが覗き見れました。
人のセックスを笑うな【電子書籍】[ 山崎ナオコーラ ]
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