28冊目「虐殺器官」伊藤計劃
伊藤計劃、最近?ここ2年ほどで脚光を浴びたと思いきや、もう亡くなった方だなんて本当に惜しい。もっとこの人の作品読みたかったなあって心から思います。
有名なのは「ハーモニー」かなあ。あと「屍者の帝国」もアニメ化していましたね。個人的に屍者の帝国は「伊藤さんだと思ったらなんか違うって違うやないかいいいいいいいっ」ていう悲しい思い出の作品ですが。笑
読んだのは6年前くらいかなあ。とにかくこの「虐殺器官」は衝撃だったのを覚えています。文章は、私が紹介してきた中ではカタめです。瀬名秀明とか高村薫とかわりとカタい感じの方をイメージしてもらえば。
軍人さんの話です。暗殺とか、テロとか。ミリオタの素質のあるわたくしは非常に楽しく読めましたが、楽しいというよりはもう、ぐっと、こうえぐりこまれる感じです。戦争映画の激しめなの見た後のような読後感でした。レッドウィング作戦とか、映画のプラトーンとかティアーズ・オブ・ザ・サンとかあの辺の感じににている。
殺すってどういうことで、正義ってどういうことで。
『地獄は人間の頭の中にある』というフレーズが印象に残っています。
あ、あとラストシーン。すごく好き。最後の情景、ものすごく好きです。さわやかでもハッピーエンドでも全然ないんだけど。ああ、て心底ため息ついて終わる本です。
すげえな、この人の頭の中どーなってんだよ、て本を閉じた後に本を眺めてしまう作家さんです。亡くなってるの、惜しい。本当に惜しい。
虐殺器官【電子書籍】[ 伊藤計劃 ]
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