覚書

好きな事用 主に映画、小説、漫画など

30冊目「闇の展覧会(霧)」アンソロジー

紹介したいのは本というより短編です。

スティーブンキングの「霧」。他も面白いんですが、とりあえず書きたいのはミスト。

そうです、あの映画の「ミスト」の原作です。映画のおかげで絶版になってたこのアンソロが復活したと書店員だったころに聞いた気がします(気がするだけかい)。

 

映画から入りました。衝撃でした。個人的には衝撃だった映画No1です。

私はシナリオを書く練習をしていたことがあって、有名なハリウッドの教えの一つに「初心者は主人公を殺してはいけない」てのがあり、割と今創作するときも守っています。「死」というのはそれだけでインパクトがあるから、印象的な終わりのために安易に使うな的な解説がついてた気がする。

映画やドラマ、漫画を見るときたいていの観客は知らず知らずのうちに主人公をなぞるから、だからこそハッピーエンドのほうが受けるわけで。

あ、主人公が死ぬっていうネタバレではないので安心してください。笑

ただ死ぬほど裏切られます。裏切られます。観客なんかほんと、入る余地のない世界。

 

ミストは、SFいうか、パニックホラーです。設定は映画も小説も同じです。湖畔に住む主人公は、妻と息子と3人で暮らしています。ある夜ものすごい嵐に見舞われて、翌日家の修理や食料の買い出しに息子を連れてスーパーに向かいます。

すると突然、あたりは濃霧に覆われて仕方なくスーパーにこもることに。ここからあれよあれよとモンスターが出てきます。でも、モンスターと戦うのが主題ではない。

あくまでも人間関係に主眼が置かれています。それがまたすごい。

 

小説と映画は、シナリオ的には少しずつかい離していきます。私はどっちも好きです。あの監督とあの役者だからあの映画になるべくしてなったという作品です。

小説は小説で、余すところなくスティーブンキングです。

人の描写が。そうくるか、ていう表現なんです。そう表現するか、っていう。意外、でも驚くほどしっくりくる。和訳がいいのもあるんでしょうけど、大変だったろうなあ。笑

 

お勧めです。さらっとは読めないけど。

気合い入れて、完成された物語に向き合う心意気で、読む&観てください。

 

 

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